誇り

僕はこの一年半でたくさんの誇りを失った

新たな誇りも見つけたけど

失った誇りに比べれば、微々たるもの

手足が不自由なっただけではない

四六時中半身が痺れつらい24時間365日痺れるのだ


1秒たりとも痺れがなくな瞬間はないのだ

健常者には想像もできないだろう・・・

この1年半よく頑張ったなぁ・・

今日くらい自分を褒めよう、お前は強いよ


こん状態で正常な精神状態を保つための秘訣が分かってきた

それにはには感動することと誇りが持てる瞬間、いっとき痺れを感じさせなくする。

人間の心とは不思議なものだ。


<失った誇り>

父親としての誇り(息子を抱っこさえできない。キャッチボールさえしてあげられなくなった)

夫としての誇り(男として何の手伝いもできくなった)

元水泳選手としての誇り

元ダイバーとしての誇り(素潜りで20mは潜れていた)

体力自慢の誇り

人間としての誇り(食事で器さえ持てないので食事をこぼしてしまう)

挙げれば数え切れないくらいの誇りをなくした。

そして、自分の誇りとは何だろうと考えことが多い

そして感動を求めた・・


感動とは生き様に感銘することだと思う


それを自分に投影することで感動する。


感動は脳を刺激し、活性化させる意欲をわかせる。

意欲が生きようとする力を与えてくれる


そんなことに気付いてから感動す映画や本を探すようになった。


特に童話の中には感動し、心に沁みるものが多くある


最近見つけた童話「白いカブトムシの涙」瀧森古都作



僕はカブトムシ。
         
木から木へと、自由に飛び回ることができる。
         
ただ、一つだけ普通のカブトムシとちがうことは・・

体が真つ白いということ。

僕は、白いカブトムシなんだ。
                 
そして、白いカブトムシには、涙が一粒しかない。
       し
最初で最後の涙を流してしまうと、死んでしまうんだよ。

                        
そんな僕を、みんなは「白カブト」と呼ぶ。
      
パパは、普通のカブトムシだったみたいだけど、
   
僕が生まれる前、人間に連れて行かれちやつたから、顔を見たことはない。

                   
僕のママは、僕を生んですぐに死んでしまった。

一粒の涙を流してしまったから・・。
    
なんで泣いてしまったのかは、よく分からない。
                      
ただ、生まれたばかりの僕に、こう言い残した。
               
「ぼうや、白いカブトムシは一生のうち涙を一粒しか流すことができないの。
涙と命は、同じくらい大切なのよ。だから、絶対に泣いちやいけないよ」
   
そう言うと、ママの目から大きな一粒の涙があふれ、
     
ママは、天国に行ってしまった。

      
だから、僕は一度だって泣いたことはない。
   
ツノが折れそうなくらい痛い思いをしたときだって、

周りのカブトムシから仲間外れにされたときだって、

たったの一度も泣いたことがない。

ママとの最初で最後の約束だから。


今日は、ひときわセミが鳴いている。

こんな日は、人間たちがガヤガヤと来ることが多い
ほら、さっそく来た。
「うわー、セミがいっぱい!」

「ぽんとぽんと、どれからつかまえようか」
          
「ちがうよ、パパ!今日の目的はセミじゃなくてカブトムシだよ!」
          き
「そうだったね、でもこんなにいつぱいいるんだから、-匹くらいつかまえようよ」

まったく、人間は勝手な生き物だ。

 「一匹くらい」って、まるで僕らをどんぐりや松ぼっくりのようなあつかいを
する。
       
僕らだって、命は一つしかないのに。



 「パパ!こっちこっち!」



まずい!見つかったか!?
             
人間は、僕を見てカブトムシだと分かるだろうか。

     
「あ~!、逃げられちゃった」

「なんだ、やっぱりセミをつかまえることにしたんだな」

「そうじゃないけど、ぜんぜんカブトムシが見つからないんだもん」
ほら、やっぱり分からない。
     
こんなに近くにいるのにさ。

油断した次の瞬間、体が宙に浮いた。

       
「ウワサは本当だったんだ」
      
さっきの親子とはちがう人間が、僕のことを見ながらコソコソと話している。
「白いカブトムシがいるなんて、ただのデタラメかと思ってたよ」
               
「ええ、私もです。まさか本当にいたなんて・・・」
          
「よし、さっそく研究室に持って帰ろう」
             
僕は、せいいっぱい羽を広げた。

         
「あ、こら!絶対に逃がすもんか!」

勝手な人間たちは、羽がちぎれるくらい僕を強くにぎり、
小さな小さな虫カゴに、僕をおしこんだ。


羽がジンジンする。
いつまでこんなところに入れておくつもりなんだろう。
  
僕が普通のカブトムシだったら、こんなときは泣くのかな。
1
     
「キミ、強いね」
   
ん?背中の方からだれかの声がした。
「だれかいるの?」

「ここだよ、ここ」

「え?どこだい?なにも見えないよ」

「ここだってば」

     
なんと、真つ白な僕の羽の中に、-匹のアリがはさまつていた。


    
「早く羽を広げてくれよ、つぶれちやうじゃないか」

人間につかまるもんかと羽を広げたとき、何かの拍子にアリが羽の中に入って
しまったようだ。
     
僕がそっと羽を広げると、アリはテクテクと出てきた。

 
「助かったよ、つぶれて死んじやうかと思った」
 
「羽の中にいたなんて・・ぜんぜん気づかなかったよ」

「それはそうと、きみってカブトムシ?」

「ああ、いちおうね」

「じゃあ、なんで白いの?」
           
「さあね。こっちが聞きたいよ」
             
「ふ一ん。でもきみって強いね」
「そう?」
                                   な
「だって、ぜんぜん泣いてないから。人間につかまった虫たちは、たいてい泣い
 てるよ」

     
「僕は、泣いちやいけないんだ」

「え?どうして?」
           
「白いカブトムシは、涙が一粒しかないんだ。だから僕は今まで一度も泣いたことがない」

「だからきみは強いんだね」
 
「強くなんかないよ。泣き方が分からないだけだよ」
 
「泣き方?そんなの考えたこともなかったな。涙は自然にあふれてくるものさ」
1
「そうなの?」

「そうだよ」

「そうかな」

「そうだよ」
8
          
しばらくすると、研究所という所に着いた。
            
僕らの入った虫かごは机の上に置かれ、人間の顔が近づいてきた。
 
「何度見てもおもしろい」

「ほんとですね」
    
人の気も知らないで、おもしろいとはなんだ。
19
       
「今ごろ、君のママは心配してるだろうね」

 再びアリが話しかけてきた。
                    
「僕には、ママなんていない。僕を生んですぐに死んじゃったんだ」


「え?なんで?」
         
「わからない。僕を抱きながら大きな涙をポロツと流してさ。
 きっと、僕が白かったからショツクだったんじゃないかな」
             い
「それはちがうよ。親っていうのは、自分の子が何色だろうと愛しちやう生きものさ」
20
「そうなの?」

「そうだよ」

「そうかな」

「そうだよ」
21
     
すると、人間の手が虫かごの中に人つてきた。


           
 「アリくん!僕の羽の中に入るんだ!」
         
とつさにアリを羽の中にかくし、僕は人間の手のひらに乗せられた。


 
 「逃げるタイミングを待って、一緒に逃げよう」


   
僕は小声でアリに言った。
         
すると、アリは羽の中でマルを書いた。

 
「教授、さっそく研究を始めましよう」
                           
「まあまあ、あせるな。この中に入れておけば、絶対に逃げられない。パラパラ
   
 にする前に、他の研究生にも見せてやろうじゃないか」


僕は、バラバラにされるのか?

 心の中が、不安でいっぱいになった。

                          
「それもそうですね、白いカブトムシなんてもう一生見られないかもしれませんしね」
            っく
「いや、研究が成功すれば、たくさん作れるにちがいない」
                     
「ええ、体のすべての細胞を研究して、私たちの手で白カブトムシを増やしましよう」


こうしちやいられない!
                  
人間の手でバラバラにされるくらいなら、自分で死んだ方がましだ!



「アリくん、しっかりつかまつてて!」



    
僕は、一気に羽をバタつかせ、低い天井めがけて思いつきり飛んだ。


 「きやつ!」
 
 「逃がすな!窓をしめろ!こいつを逃がしたら、せっかくのチャンスが台無しだ!」

 勢いあまつて天井にぶつかり、その次は窓にぶつかり、
  
その次は人間にぶつかり、僕は力いっぱい飛んだ。
          
「白カブトくん!無茶しないで!」
   
「僕は大丈夫!アリくんはしっかりつかまつてて!」
       
僕はさらに窓をめがけて飛んだ。
     
しかし、窓はしめられていて、ガラスに思いつきり体をぶつけた。
         
こんなときにも、涙は出ない。



人間の研究に使われるくらいなら、泣いてしまった方がいい。
          
なのに、ぜんぜん涙が出ない。

もう一度窓をめがけて思いっきり飛んだ。
           
すると、パリンツと窓がわれ、外に出ることができた。
    
しかし羽はボロボロとなり、空まで飛ぶことはできず、
   
木の枝にひっかかってしまった。

 「白カブトくん、君ってやっぱり強いよ」


はね
羽の中から、アリが出てきた。


「強くなんかない。僕はアリくんがうらやましいんだ」


 「こんなに小さいぼくが?」
         
「ああ、だって真っ黒なんだもの」
       
「ぼくは君の羽がうらやましいよ」

「そうなの?」

「そうだよ」

「そうかな」

「そうだよ」
31
にんげん
人間たちが、
     
あみを持って僕らを探しにきた。
32
       
「アリくん、早くママのところに帰りな。化配してるぞ」

「白カブトくんはどうするの?」
      
「僕はもう飛べない。たぶん、もうずっと」
       
「いやだよ、一緒に森へ帰ろうよ」
                    し
「人間たちにバラバラにされるより、ここで死んだ方がマシだから、これでよかったんだ」

「いたぞ!」
   
一人の人間が、僕を指さして言った。

もうダメだ・・・僕は見つかってしまった。

                         
すると、アリはショツカクをこすりあわせ、何やら変な音を出し始めた。


次第に辺りのアリたちがソロソロと木を登りはじめ、木の上はアリでいっぱいになった。

「みんな!白カブトくんの上に乗って!」
    
アリの一声で、みんなは僕にピッタリとはりついた。
1ミリのすきまもなく、僕にピッタリとはりついた。
3
 「白カブトムシはどこだ?どこにもいないじゃないか!」



にんげん   ま くろ              とお
人間たちは真っ黒になった僕を見つけられず、通りすぎて行った。



「アリくんたち、どうもありがとう。
      
 そして僕の夢を叶えてくれてありがとう。
 いちど     くろ
 一度でいいから黒いカブトムシになってみたかったんだ」
                      
そしてたくさんのアリたちは、再び木を降りて行った。

                
「キミは、やっぱり白い方が似合う」

優しい声でアリが言った。



「そうかい?」
      
「だって、心がこんなに白いんだもの」


   
心の奥底から、あつい感情がこみ上げてきた。

ふと気づくと、僕は涙を流していた。


        
 「アリくん、涙ってあたたかいんだね」
    
僕は、天国のママに会ったらこう言おう。

僕を生んでくれてありがとうって・・・。

おしまい



今日、なぜかこの童話に涙してしまった。。


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