藻類の光合成作用で二酸化炭素を吸収する

微生物の持つ光合成作用を利用して二酸化炭素を固定化する方法が研究されている。研究の焦点は大きく4つある。光合成能力の高い微生物を探し出すこと。微生物を大量に増殖するシステムを開発すること。さらに、これらの微生物を効率よく働かせるため、太陽光をうまく集めるシステムを開発すること。最後に、二酸化炭素を吸収し、大量に増えた微生物をうまく再利用すること、である。

 火力発電所から放出される二酸化炭素を微生物を使って吸収させ、固定化するプロジェクトを、RITE(財団法人・地球環境産業技術研究機構)が進めている。日立製作所、石川島播磨重工業、住友重機械工業、三菱重工業、大成建設、日立造船、旭硝子、出光興産、住友化学工業などの民間企業のほかに、四国工業技術研究所(独立行政法人・産業技術総合研究所四国センター、以下同じ)、東京大学、山形大学などが加わっている。

 このプロジェクトでは、森林よりも10倍の光合成能力のある藻類も発見されたが、火力発電所の放出する二酸化炭素を吸収するというレベルには不十分だった。

 大阪大学は火力発電所の排ガスに含まれる二酸化炭素、窒素酸化物の両方を、藻類を使って吸収する技術を開発した。この藻類は光合成作用と同時に窒素酸化物を栄養源として取り込む働きを持っている。実験では排ガスに含まれる二酸化炭素や窒素酸化物の約7割を吸収したという。もっとも、藻類をきちんと働かせるためには、火力発電所の約半分の敷地面積が必要になるという。理想と現実の溝は深い。